中古バイクを買ったらまず揃えたい!整備に必要な工具10選|初心者の入門セット
お世話になっております。
ピッコロモータース工場長☆プロ道楽師のまるこフランキーです。
中古バイクを手に入れた皆さん、おめでとうございます。
さあ、走り出したい気持ちはわかります。でもちょっとだけ、待ってください。
「まずは一度、“整える時間”を楽しもうぜ」と。
中古バイクは、例えるなら『誰かが使っていた楽器』。
音を出す前に、自分の手で調整してあげることが、実はバイクとの最初の対話なんです。
なぜ工具が必要なのか?
中古車は「走れる状態」ではあるけれど、「あなたにベスト」な状態に整っているわけではない。
- 前オーナーに合わせた調整が残っている
- 好みでないパーツがついている
- 初期不良が起きる可能性がある
こうした不安を解消するのが、整備・調整であり、工具です。
ミラーの向きがトンチンカンで後ろが見えない!でも自分じゃ調整できない。ではライダー失格です。
整備は“安全の確保”でもあり、“バイクと自分の関係を作る儀式”でもあります。
このブログでは、教習所では教えてくれない、本当に必要な工具をプロの僕が紹介します。
まず最初に揃えたい工具10選
さて、ここからが本題。中古バイクに乗り出すあなたへ。
まず揃えたい整備道具を、“長く使えて、愛でてカワイイ視点”で10個紹介します。
せっかく新しい趣味を始めたのですから、愛でられることは重要です。
愛着のある工具で、愛情たっぷり、バイクとの人生を楽しみましょう!
1|ラチェットハンドル
ボルトを締めたり緩めたりする、整備の基本動作を支える一本。
「最初の道具こそ、信頼できるメーカーで。」メーカーは、KTC以外あり得ない。
洒落た輸入ブランドがカッコいいと思っても、まずはKTC(日本のメーカー)で揃えよう!
2|ソケットレンチセット
「道具に“統一感”があると、整備が気持ちいい。」ので、ここもKTC製一択。
サイズは、8・10・12・14・17mmがあれば必要十分。
サイズコレクションするのは整備ができるようになってからでいい。
3|コンビネーションレンチ
メガネレンチが必要だと言うメディアもいるけれど、僕は圧倒的にコンビネーション派。
オープンレンチじゃないと入らない箇所が、以外にも多く、初心者整備でも必要になることが多い。
サイズは、8・10・12・14・17・19mmがバイクには必須サイズ。
セットだとムダな7mmや、13mmが同梱されていて、もったいない気もするけど。13mmは家具の組立にも使えるから、バラで買うよりお得なセットがオススメ。
4|モンキーレンチ
ボルトを両側から締めるとき(同サイズのレンチが1本しか無い時)や、コンビネーションレンチにはないサイズを締めるときに必須のレンチ。
これも、安物買いの銭失いにならないようKTC製だけをオススメしておきます。
安いレンチを使うと、精度が悪くて力が逃げて、工具が外れて怪我をすることがあります。
体重かけちゃったり(やらないでね)して、レンチが外れて、バイクの尖っている箇所に手を打ち付け怪我をする。初心者あるあるなので、気をつけてください。
5|ドライバー
そんなの家にあるよと思っているでしょう?
バイクは思ったよりもオイルでベタベタ汚れていたり、すごい力で締まっていたりします。
初手の一撃でねじ山を舐めたら、もう初心者には手に負えません。プロの整備士でも一番緊張する瞬間が+ネジだったりします。
「絶対にネジ山が負けてはいけない戦い」がそこにはあります。絶対は正義、信頼のKTC一択。グリップも滑りづらい考え抜かれた逸品です。
初心者にオススメの工具なのに、充実しすぎてない?って思ったでしょ。
ドライバーは長さによって取り回しが変わります。多くの力を入れたいのに、スペースがない!そんなことがバイクだと日常茶飯事。
また、貫通ドライバーというものがあって、+の先端と、手で握るところのエンドまでが金属で貫通しているドライバーがこちら。
これはどういう時に使うかと言うと、「ネジが舐めそうで回らない時」
グッと+をあわせて、後ろの柄をハンマーでぶっ叩く。そうすると、+がピッタリハマって、より大きな力をかけられるというもの。このぶっ叩くときに、貫通していないと(樹脂とかだと)、力が逃げてうまくハマらない。
初心者だからこそ一定のクオリティのものを使わないと後で後悔しますよ。
6|六角レンチ
ドライバーと一緒で、初手の一撃をミスると取り返しのつかないことになる代表が六角レンチ。
これも、信頼のKTCが安心安全。くれぐれも、家にある短い六角レンチで対応しようと思わないほうが身のためです。
7|ラジオペンチ
それこそ家にあるよ!って言うでしょ?これだから初心者は…。
掴むことが仕事のペンチなのに、安くて掴めないものばかり売っているのは詐欺ですよ。
パッチンパッチン掴むベキものを逃すイライラ…。結局、書い直すことになるから、初めからある程度のものを揃えておくのがよい。
8|ニッパー
なんだよ、結局KTCで揃えればいいんでしょ?って思ってるでしょ。
違うよ、ニッパーは残念ながらコレ一択。本気でこれ、つべこべ言わずにこれ。プロが言うのだから間違いない。
ニッパーは結束バンドなどを切るときに必須です。バイクの整備でニッパーの出番は結構多い。
ハサミでやると、ハサミが壊れます。切った破片が飛んできて目に入っても危険。ヌルっと、サクッと切れるプロ仕様のニッパーは必須です。
9|プラハン
回らないボルト、固着した何かをぶっ叩く専用の戦士がコチラ。
安いやつ使ってると◯ぬよ?これマジ
グリップは木製のほうがオススメ、手が痺れてムダな戦いになる。力も入りやすい。
10|工具箱
散らかった工具は、やる気を削ぐ。
仕事のほとんどは「探し物」って、ムダな時間を使って人生をムダにするな。
オススメはこちら。なぜか一家に一箱はあるアレ。
とはいえ、カッコつけたいでしょ?(無骨な青もカッコいいけど)
1969年創業、大阪の老舗工具箱メーカーといったらコレしかない。壊れないので、一生物です。
もう少し容量を充実させたいならこちら。ただし、持ち運びが重くなるというデメリットがある。
いやいや、工具箱と言ったら、引き出し付きのあれでしょ!赤いやつ。「あれが欲しいよ!」というお気持ち、痛いほどわかります。
あなたにプロからお伝えしておきます。
「あれは、作業台の上に置くから引き出しの意味がある。」あなたの整備環境に作業台はありますか?
地面に置くんじゃないですか?
はい、カッコはいいかもしれませんが、オススメしません。
もし、作業台があるようなブルジョワジーな方にはこちら。もう、思う存分カッコつけてください。
工具を選ぶときの3つの視点
- いきなり1軍だけ揃えよう → 安物買いは心の妥協。
- コスパより、一生物を → 長く使えるものがコスパ◎
- 良い工具は安全・安心 → ケチると怪我するよ。
まとめ:最初に揃える道具が、これからの整備人生を決める
中古バイクは前のオーナーが選んだもの。手直ししたい箇所もたくさんあるはず。
整備も新車ディーラーでお任せよりも、やることが多い。無限にお金がない限り、都度都度、工賃を払っていたら幸せなバイクライフは訪れません。
やれることは自分でやろう!道具は、あなたがバイクの次に選ぶ『相棒』です。
走る前に、一度立ち止まって。
この道具たちと一緒に、自分のバイクを“迎え直す”時間を持ってみてください。
きっとそれが、整備が好きになる第一歩になります。
▶︎ 参考図書
ご安全に、良きバイクライフを!
──まるこフランキー(プロ道楽師)でした。
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