いかに無駄を省き、最短距離で正解に辿り着くか。
スマホを開けば「ライフハック」が溢れかえり、見ているだけで息が詰まりそうになります。
そんな世間の喧騒をよそに、僕たちバイク乗りという種族は、ガソリンを燃やしてわざわざ遠回りをして目的地へ向かう生き物でございます。
すでに僕たちの存在自体が「無駄の極み」であり、至高の道楽者と言えましょう。
さて、クルマの世界ではすっかりおなじみとなった希望ナンバー制度。
ついにバイクにも導入されましたね!
「たかがナンバープレートの数字4桁に、何をそんなに熱くなっているのか」
バイクに乗らない方々からは、そんな冷ややかな視線が飛んできそうですが。
ですが、数字「4桁」にロマンを詰め込んでしまうのが、バイクヲタクという業の深い生き物なのです。
ちなみに僕のクルマのナンバーは「819」ですw

バイクの希望ナンバーが普及したら、一体どんな争奪戦が繰り広げられるのか。
バイクのプロの視点から、愛を込めて考察させていただきました。
ナンバープレートに宿るヲタク魂
クルマの希望ナンバーといえば、「1」や「8888」といった分かりやすいゾロ目、あるいは「777」のような縁起物、「2525(ニコニコ)」「1188(いいパパ)」「1122(いい夫婦)」などの語呂合わせが人気の中心です。
「86(ハチロク)」や「911(ポルシェ)」といった特定の車種のものもありますけどね。
しかし、バイク乗りの世界はそこまで単純ではないのではないか。なぜなら、バイク乗りはバカだから(愛)
バイク乗りが求めるのは、世間一般のステータスではなく「知る人ぞ知る、バイクへの異常な愛の証明」だからです。
人気になりそうな「希望ナンバー」の例をいくつか挙げてみましょう。
ホンダ乗りが魅せる「型式信仰」
優等生なイメージの強いホンダですが、その実、乗り手の愛は最もマニアックです。
彼らが狙うのは排気量ではなく、ホンダ技術陣の血と汗が滲む「型式番号」でしょう。
「16」「18」「21」「28」: 「NSR250ファミリー」の型式
「30」「31」「38」「39」「54」: 「CBファミリー」の型式
パッと見はただの不作為な数字の羅列。
しかし同業者(ホンダヲタク)が後ろについた瞬間、「あ、MC21」と静かに頷き合う。
直球アピールを避け、あえて「分かる人にしか分からない暗号」をプレートに忍ばせる。
なんとも知的にして美しい道楽ではございませんか。
スズキ・GSX1100S カタナにおける「1135」
カタナ感染者にとって、単に排気量である「1100」を選ぶのは、まだまだ甘いと言わざるを得ません。
真のカタナ愛好家が膝を打つのは「1135」
そう、伝説の名車「ヨシムラ KATANA 1135R」の排気量ですね。
- 「1100」: 750、400、250への排気量マウント
- 「1135」: レースの歴史と幻影を追うバイクヲタ
この数字を背中に背負って走るカタナを見かけたら、後ろのライダーは心の中でそっと敬礼をするしかありません。
僕も1100カタナ乗りではありますが、流石に恥ずかしくて勇気が出ません。
ドゥカティ乗りが選ぶ「排気量」ナンバー
イタリアの至宝、ドゥカティ。
彼らが選ぶ数字には、独特のエレガンスと狂気が表現されるのではないかと予想されます。
例えば「1199 パニガーレ」にちなんだ「1199」。
あるいは「916」「996」「999」「1098」「1299」といった、歴代スーパーバイクの名車たちが戴く「誇り高きモデル名(車名)」のナンバー。
「何に乗っているか」を背中で語りかけるスタイル、イタ車乗りらしく素敵ではありませんか。
スポーツスターにおける「883」と「1200」
ハーレー乗りの世界において、排気量は単なる数値ではなく「アイデンティティ」そのもの。
とりわけスポーツスターファミリーにおいては、以下の二大勢力が不毛なマウント合戦を見せることでしょう。
- 「883」: パパサン愛好会。「エンジンを回し切るのが粋なのだ」という主張。
- 「1200」: 1200ccを選んだ者の誇り。ドッカントルクを味わい尽くす。
クルマ乗りが見たら「ヤバみ?」と読まれるのがオチですが、僕たちバイク乗りは大真面目なのです。
サーキットの英雄たちの「ゼッケンナンバー」
車種や型式といったマシン側の文脈だけでなく、二輪モータースポーツ最高峰の舞台で戦うヒーローたちに想いを馳せる「ゼッケンナンバー」もまた、大本命でしょう。
熱狂的なレースファンだけが共有できる「記憶の数字」ですね。
「46」: 言わずと知れた生ける伝説、ヴァレンティーノ・ロッシ。イエローの車体やヤマハ車についたら後続は平伏す。
「93」: 現代の怪物、マルク・マルケス。絶対的な速さと限界突破の象徴。
「74」: 伝説の日本人ライダー、故・加藤大治郎選手。日本のレースファンにとって神聖不可侵の永遠のナンバー。
己のパーソナルナンバーを背負い続けるライダーたち。
その美学をそのまま愛車に宿す行為は、まさにファンにとって至高の「推し活」と言えましょう。
「語呂合わせ」に見る、ライダーの乙女心
車種名や排気量といった直球勝負のほかに、日本の誇る文化「語呂合わせ」も猛威を振るうはず。
- 「819」: 定番中の定番「バイク」
- 「250」「400」「750」「1000」: 排気量への愛
しかし、僕個人としては、「自分のマシンの型式番号」を密かにナンバーにするような、ひっそりとした自己満足をおすすめしたいところでございます。
誰にも気づかれない。
でも、後ろにバイクがついた時に自分だけがニヤリとできる。
これこそが、道楽の真髄ではないでしょうか。
結局のところ、希望ナンバーとは「愛の標」
バイクの希望ナンバー制度。
「番号なんて何でもいいじゃん」と言ってしまえば、それまでです。
まったくもって機能的な価値はありません。
最高速が伸びるわけでもなければ、燃費が良くなるわけでもない。
ですが、わざわざ手数料を払い、申請して、お気に入りの数字を手に入れて愛車に装着する。
その一連の無駄なプロセスの中にしか存在しない「ニヤニヤ」が、間違いなく存在するのです。
みなさまも是非、誰にも理解されない「自分だけのこだわりナンバー」を申請してみてはいかがでしょうか。
お世話になっております。プロ道楽師のまるこフランキーと申します。
何事にもいちいちロマンを見出しては、得体のしれない無邪気さで、日々の探究の記録を書き散らしております。
世の中の「生産性」や「効率」にお疲れのみなさま。大人になった今だからこそ、くだらないことに全力でニヤニヤしてみませんか。
引き続きよろしくお願いいたします。



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