有識者にお金を払って監修してもらわないコンテンツは作品の格が下がるという話

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有識者にお金を払って監修してもらわないコンテンツは作品の格が下がるという話

お世話になっております。

今日は圧倒的ゼネラリストの僕、ピッコロモータース工場長でプロ道楽師のまるこフランキーを「世界はもっと活用せよ」というお話。

というのも、僕はオートバイのプロなわけですが、例によってドラマや映画を見ますでしょ。

そこで吹き出しそうになるくらい気になったことがあったので、ご査収ください。

とある強制的にサブスクにされているNetflixではない放送局の連続ドラマの場面。

原付スクーターが出てきました。(話を面白くするために仮で設定しましょう)

その登場人物は急いでいたんでしょうね。雑な人物として描きたかったのでしょう。

「ブーンブンブン!ぶんぶんぶん!」

主人公の真横をその彼は追い抜いて、原付スクーターを駐輪します。

そして、シート下ボックスを開けて、ヘルメットをぶん投げて入れて、バタンと閉めて小走りで職場へ向かいます。

おーいおいおい。

ツッコミどころ満載なんですけど。コントかな?

そういうところだよ、Netflixではないサブスクの放送局のイマイチなところ。

せっかくさ、役者に素敵な人達を起用してるんだからさ、細部までこだわってほしいよね。

それとも、ドラマ制作の予算が足りなかったのかな、みんな課金をしたがらないから…。

この原付スクーターを乗っていた役者にとっては、デジタルタトゥーだよ。可哀想に、黒歴史じゃん。

誰か制作側にゼネラリストはいなかったのかい。というお話。

はい、この数秒のシーンだけでここまで悪口を書ける僕が、気になったところを上げていきますね。

①「ブーンブンブン!ぶんぶんぶん!」

アテレコされた排気音ですが、クラッチ切って吹かしてる400ccくらいの4発の純正マフラー音。多分、CB400SFV。

だいたいアテレコ用に流通しているバイクの音は、CB400SFVのノーマルマフラー音。

加速、減速、巡航、エンジン始動、ブンブン吹かしている時の音。

音響効果の業者にサンプリング音を提供するときは、だいたいCB400SFV。

なぜか。

それは、流通量が多いから入手しやすいし、車両提要側も「これでいいか、普通だし」ってことで、何も考えずに人参を謝礼に提供してしまう。

VTECは低回転域では2バルブだから独特の排気音がする。なんでCB400SFVをスタンダードだと勘違いしているんだ、あいつは、VTECは、異端だぞ…。

そういうところだよ、バイク業界。流通量が多いからと言って、CB400SFVをバイクの基準にするな。

バイク屋もちゃんと聞きなさいよ。

「どんなシーンで使うんですか?バイクはなんですか?」って。それがプロってもんだろ。

絵はPCX初期型(原付スクーター)ですが…。

クラッチないし、ブンブン言わないし、エンジン単気筒だし。

それでいいと思ってプロが適当な仕事をするなよ。

はい、次。

②シート下ボックスを開けて、ヘルメットをぶん投げて入れて、バタンと閉めて小走りで職場へ

そのPCXにはリアボックスが装着されている。ホンダ純正オプションのやつだ。

ホームセンターで売っているような適当なリアボックスではない。ということは、ホンダのディーラーで注文したリアボックスだ。

車体を中古で買って、ホンダ純正オプションのリアボックスだけをディーラーで買うことは、可能性が低い。

だとすると、このPCXは新車をディーラーで買っている。

設定は山奥、別荘地エリア。ホンダドリーム○○店か、〇〇店か、どっちかだ。

登場人物の乱暴で貧乏な設定からは、ホンダドリームで新車を買う可能性は低い。ということは、中古で買ったのだろう。

ここでもし、あなたがホンダドリームでPCXを買ったのなら、どこに売るだろう。

ホンダドリームに下取りに出さないか?

ホンダドリームユーザーとは、そういう生き物ではないでしょうか。

買取専門店に電話して、少しでも高く売ろうとは、あまり考えづらい。特に、ホンダ純正オプションのリアボックスを装着するようなライダーは、ディーラーにおまかせしている。

リアボックスを少しでも安く済ませたかったら、ライコランドやNAPSでGIVIなどの汎用リアボックスを買うだろう。そういう気概がホンダドリームでバイクを買うようなブルジョワジーには、ない。

つまり、このPCXは初代オーナーはホンダドリームで購入して、ホンダドリームに売っている可能性が高い。

そのPCXが、時代とともに流通し、登場人物は、中古で買ったことになる。

そもそも、乱暴で、貧乏な設定の彼が、PCXを買うだろうか。そこは、アドVとか、リードとか、シグナスXなんじゃないか。

話が脱線した。

シート下ボックスを開けて、に戻ろう。

シートしたボックスを開けた理由、そう、ヘルメットを格納するためだ。

ここでちょっと考えて欲しい。シート下ボックスにヘルメットを格納したい。PCXに

PCXオーナーなら気づくだろう。ヘルメットをぶん投げて、シートをバタンと倒しても、シートは閉まらない。

ヘルメットを適正な位置に置いて、上から丁寧にパチンと押さないと、シートは閉まらない。

つまり登場人物のシート下は、ロックが掛かっていない。

これは、乱暴な彼を表現するためであろうが、乱暴すぎやしないか?

その大変に高価なホンダ純正オプションのリアボックスには、何が入っているのか…。日常的に使っていないのか?

まさか、リアボックスには、自賠責保険の書類だけが入っているわけではなかろう。

自賠責保険の書類が入っているであろうシート下をロックせずに、立ち去るのであれば、証紙はロックが掛かっているリアボックスに入っていると想定される。

だがしかし、登場人物の彼のキーホルダーには、鍵が1本しかついていない。

おいおい、車体の鍵だけで、リアボックスの鍵を持っていない、だ、と?

鍵を無くしたのか?キーホルダーについているであろうリアボックスの鍵だけを無くしたのか?だからリアボックスは開かずの間なのか?

バイクを提供したバイク屋が、リアボックスの鍵を渡し忘れただけではないのか?あるいは、買い取ったときにリアボックスの鍵を受け取り忘れただけじゃないのか?

さぁ、5秒足らずのシーンで僕が感じた違和感。

これが、バイクを何万台も見てきた僕のプロファイリング。

バイクが映像に出てくると、楽しめない。本当に楽しめるのはドキュメンタリー映画だけだ。

まるこフランキーでした。ではまた。

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