ギターを弾き込むと音が変わるって本当?長年弾き込まれたギターが奏でる音色の魅力
お世話になっております。
ピッコロモータース代表☆プロ道楽師のまるこフランキーです。
ギター界隈でよく出てくる話題で、「ギターは弾き込むと木が育っていい音になる」というエピソードがあります。聞いたことある人もいるかもしれません。
聞いたことある人は、相当なヲタクだと思うのですが。
果たして、それは本当なのか?というお話。
僕はギターは中学2年からやってますので、かれこれ20数年になりますか。

ギターはもう、何本買ったことか。
バイクには、二千万円くらい使ってますが、ギターも結構ですよ。ん、百万だと思う。
そんな僕の経験から、お話していきましょう。
木材の乾燥が進んでいい音になる
まずは、木材の乾燥が進んで音が良くなるという論理。
これはどうでしょう。
僕の論理では、なしです。
ギターを購入してから木材が乾燥してしまうくらいなら、メーカーとして失格です。
そもそも、ギター用として切り出した材であれば、ギターの形にする前に適切な乾燥をさせるべきです。
確かに、ギターの乾燥度合いは、外部環境で変化します。
あるいは、昔はラッカー塗装だったので木が呼吸できた。
現在は、ウレタン塗装なので、木が呼吸できずに乾燥できない。
こういったご意見もおありでしょう。
ここでひとつの疑問が生じます。
ギターは乾燥している方がいい音がするのか。というお話。
そんなことはないですよね。
ギターは弦を振動させて、それを木で伝達させて、あるいはマイクで拾って音を出しています。
弦を良く振動させるということであれば、そもそも木材でなくても良いのです。
最近では、カーボンファイバー製のギターや、昔あったのは、透明のアクリル樹脂製もありましたね。
では、それらゲテモノのギターはいい音はしないのか。
いい音しますよ。とっても
おいおい、待てよ、意味がわからなくなってきたぞ。
そういうものです。
楽器は嗜好品ですから。
もちろん、プレイアビリティとか、安定性とか、プロの道具としての品質はあると思います。
では、弦の振動の減衰を、木材と同等の具合に調整された素材で開発されたギターはどうでしょう。
それはそれは、ギターの音がするでしょう。
ただし、プレイヤーが思っている「ギターとは」には反するかもしれませんね。いい音するのに
では、次。
弾き込むと木が育つ?
「ギターは弾き込むと木が育っていい音になる。」この理論について。
「弾き込むと」この部分に分解して考えてみます。
木が育つかどうかは置いといて、弾き込むといい音になるのか、というお話。
当たり前じゃないですか。
昔、アコースティックギターマガジンか何かの雑誌で、木材の維管束の振動度合いをデータ取ってた記事がありましたけど、果たしてそれがいい音に変化したのかどうか。
ギターをスピーカーの前において、共振させて育てる。というミュージシャンのインタビューも読んだことがあります。
ていうか、弾き込むということは、練習したんだから、いい音になって当たり前ですよね。
楽器やらない人からしても、ご理解いただけると思います。
つまり、ギターは弾き込むといい音になるものなのです。
良い音とは何?
では、最後の論点。
いい音とはなんぞやっていうお話。
そこは、簡単です。
そのギターが、本物か、本物でないかのお話。
いやいや、同じフェンダーでもいい音するのと、いい音しないやつがあるじゃん。という反論がありますよね。
ではここで、本物の定義を、あなたが思う「基準のギター」にしましょうか。
するとどうでしょう。
フェンダーなら1959年のストラトキャスターが本物でしょ。というあなたの「いい音」は、頭の中でなっているそれです。
その音が「基準」となり、本物であり、いい音なのです。
少し論点をズラしまして、なぜギブソンとフェンダーが本物として存在し、それらを模した形のギターが偽物と称されるのか。
これも同じ論理で、基準だからです。
多くのアーティストが使用してきて、それは2社のマーケティングによるものでしたが、ジミヘンといえばフェンダー、みたいに基準を作ったのです。
一説には、ジミヘンのサイケデリックさを強調するために、左利きなのに右利き用のギターを与えて弾かせた、というエピソードがあります。
これは、フェンダーのマーケティングによるものでしょう。
その音に熱狂した人たちは、ジミヘンのように、利き手とは逆のギターを弾くことがいい音であり、基準となるのです。
似たような形で、人間の耳では聞き分けられないレベルのギターがあったとしても、それはロゴの見た目もそうだし、基準から外れており、本物ではなく、偽物なのです。
日本人でギブソンといったら、B’zの松本さんでしょう。
あのギターから出る音が「いい音」であり、本物であり、基準であるのであれば、ギブソン以外の形が同じギターは偽物ということです。
現代のギター界隈において、基準の音となるフェンダーとギブソン。
この2社のギターを使用したアーティストの音が、あなたが思う「いい音」なわけです。
冒頭、「ギターは弾き込むと木が育っていい音になる」という説に反論しましたが。
「ギターは弾き込むといい音になる」これには、反証の余地がありません。
それは、弾き手がそのギターの道具としての弾き方を会得し、自分の中で基準となる音を目指して試行錯誤をするなかで、いい音になっていっただけなのです。
これは、車やバイクでも同じこと。
慣らし運転をしたら、スムーズになった。
そんなこと、あり得ませんよ。
たった数ヶ月で金属が馴染み、可動部がスムーズになる程度の硬さであれば、数10万キロも走れる耐久性はありません。
慣らし運転で馴染んだのは、金属ではなく、あなたです。
あなたがその車の運転の仕方を「分かった」だけですから。
面白いですね。
ではまた。
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