電動キックボードの公道試乗レビュー|法改正で免許不要に!?

バイクの話

電動キックボードの公道試乗レビュー|法改正で免許不要は本当に大丈夫なのか検証してみた。

悪いニュースばかりの電動キックボード

画像はイメージです。

最近何かと話題の電動キックボード。

ノーヘルで捕まったり、歩道を走って危険走行をしたり、悪い評判ばかりの電動モビリティですが、バイク歴22年、現役バイク業界人の私(まるこ氏)が試乗してレビュー・インプレをしてやろうじゃないか!ということで、やっていきます。

こんな法改正が施行されるよ!

これまでは、原付として区分されていた電動キックボードが、特定小型原動機付自転車 という新しい区分として、公道を走行する法案が可決されました。条件を満たす車両を運転する際には、免許不要・ノーヘルで走行できることになります。施行は2024年までということだから、2年以内にはこれらを運転する人たちが公道に現れるということです。

特定小型原動機付自転車って?

  • 電動のユニット
  • 最高速度20km/h以下(リミッターのある車両)
  • 長さ190cm×幅60cm以内
  • 保安部品装着
原付特定小型原動機付自転車
免許原付の免許が必須不要
ヘルメット必須任意
走行場所車道のみ車道、自転車レーン、歩道
制限速度時速30km時速20km
年齢16歳以上16歳以上

おいおいちょっと待てよ!16歳といえば、高校1年生。

僕たち3ナイ運動全盛期の時代では、バイクは「危ないから乗るな!」と言われていたわけですが。

16歳以上、免許不要、ノーヘルでもOK!なんて、いくらなんでも危険すぎるのでは!?

ということで、バイク歴22年の僕が老婆心ながら、「本当に危険なのか」試乗レビューをしていきたいと思います。

実際に乗ってみた|試乗レビュー

画像はイメージです。

今回試乗したのは、前後サスペンション付きの10万円台のちょっと良いモデル。Amazonなどで売っている安いモデルとは造りが全然違います。ナンバーステーもちゃんとしてる!全体的な剛性も充分。これなら行けるんじゃないか!?

意外とパワーがあって速い

全く抵抗のないスロットルをひねると、車体がスルスルっと加速します。今回試乗したのは、パワーモードが3段階。フルパワーにすると、あっという間に制限速度まで加速します。この加速感は、スーパーカブ50よりも速い。ひょっとしたら、ZZやJOG-ZR、DIOといった、7.2馬力時代の2スト原付スクーターと同じくらい。

しかも、メチャメチャ静か。聞こえてくるのは、タイヤのロードノイズと風切り音だけ。

「あれ…、なんだか気持ち良い。」

車体が軽すぎる!

車体の軽さが際立って、安定感はありません。ニーグリップできないのと、シートがないので重心が前後に置いた足裏に集中します。つまり、ホイールベースも短く重心の範囲が狭いので、安定しない。

そして、乗り心地ですが、ワダチやアスファルトのゴツゴツが全身に伝わってきます。「か…か、全身がかゆい。」健康器具の振動マシーンあるじゃないですか。アレです。もしかしたら、健康には良いのかもしれません。そんなデメリットも感じつつも、慣れてきて乗り方がわかってくると、

「…た、楽しい。」

航続距離は充分

今回試乗したモデルの航続距離は30kmほど。5kmほど走行して、バッテリー残量のメモリが1つ減ったので、計算上スペック通りの距離は走りそう。ただし、僕は体重が軽いのと、坂道や気温、風などの影響を受けますので、あくまでもスペックの航続距離は定地走行として認識しておいた方がよいでしょう。

とはいえ、ちょっとコンビニへ。ちょっとドラッグストアまで。という、日常の近所の移動であれば必要十分。というか、ミニバンでエアコンかけて(涼しくなるのを待って)、ひとりでコンビニまで、タバコを買いに行くような移動であれば、僕はキックボードを選択します。それくらい、気軽にスマートに移動できる。

「これは…、いいぞ。ちょっと欲しくなってきた。」

折りたたみはできるが重い

折りたたみはできます。できますが、如何せん重い。こんな重たい重機をもって、階段を登って玄関に収納。なんて、多分無理。

足に落としたりでもしたら、怪我をするレベル。それ以外にも、折りたたみ機構部に指をはさみそうになったり(はさんだら痛いじゃ済まない)、全体的なクオリティはまだまだな部分が多い。

原付ほど盗難防止装置もついていないし、頑張ればすぐに持ち上げられちゃうので、駐輪場に停めておくのは危険。となると、住環境によっては、原付スクーターの方が優れていることのほうが多い。

公道で電動キックボードはあり?なし?

安全に配慮できれば、あり。

安定しない癖のある乗り味、グリップしない貧相なタイヤ、コントローラブルとは言えないブレーキ。

これらが相まって、時速30kmから安全に止まることは厳しいと判断。

となると、制限速度いっぱいで走るにはリスクがともなう。誰も居ない、きれいな路面で、直線であれば時速30km出しても問題ないだろう。ビュンビュン車に追い越され、いつ人が飛び出てくるのか予測のつかない東京都内はご遠慮したい。

都心部よりも少し郊外のチョイノリにおすすめ

上記のとおり、車体の性能的には少し郊外の新しい道に利用したい。あるいは、都心部でも閑静な住宅街ならありだと感じた。まだまだ原付スクーターには及ばない、性能・安全性・航続距離・機能。今後も、原付スクーターを機能面で超えることはできないだろう。

とはいえ、これだけは強く感じた。

『めちゃめちゃ気持ちよく、全く新しい、楽しい乗り物』

10数万円で始められる新しい趣味としては、おすすめできる楽しい体験でした。

今、スマホだって10数万円するからね…。それでは、また。

コメント

タイトルとURLをコピーしました