お世話になっております。
ピッコロモータース代表、プロ道楽師のまるこフランキーです。
文房具屋さんで1度は見たことがあると思います。
パイロットから1994年発売された細書きボールペンです。
発売当時は世界で最も直径の小さい0.3mmのボール搭載で、「米粒にも文字が書ける」というような、TVCMがありましたね。
ゲルインクは、水性のインクですが、増粘剤を加えることで軸内ではゼリー状態。書くときはボールが転がる摩擦によって粘土が下がり、液状になるインクです。
筆記していないときは固く、筆記するときは柔らかく、紙の上ではゲル状に戻る特性を持っています。
結果:スラスラ書けるのに滲みにくい。
当時はパソコンで図面を引くことは一般的ではありませんでしたから、製図用のシャーペンで書いていました。
最近は、製図用シャーペンが『カッコいい』という理由で、中高生に大人気なわけです。
大人用に仕掛けたYoutubeのインフルエンサーがいるのですが、それが蓋を開けてみれば中高生が見ている状態。
中学生が、3〜5,000円のシャーペンを小遣いで買う時代です。
だって、学校で公式に認められている玩具として、文房具は存在するからです。
いくらお気に入りの玩具でも、授業中にSwitchで遊ぶわけにはいかない。
でも、文房具を愛でて遊ぶなら、許される。
お気に入りの道具で、学校生活が豊かになるなら、買いますよね。
僕も現代で中学生なら、買っていると思います。
一方で、工業系の学生や美術系の学生は、扱いが難しい製図用のシャーペンに変わるペンを探していました。
というのも、製図用のシャーペンが細くなり始めたのは、結構最近の話。
シャーペンは、現代の技術を駆使しても、0.3mmが限界なんです。
それ以下だと芯が折れてしまう。
当時の描画をする学生たちは、厳密にはシャーペンではないのですが、芯ホルダーという鉛筆の芯がシャーペンのように出てくる筆記具を使っていました。
そして、『芯研器』という芯削り器を使って、先端を極細に削り込んで、定規で線を引く。
今でこそ、この所作が面白くって、趣味として芯ホルダーを使う人が増えてきましたが。
ただし、それが、業務になると効率が悪い。
当時から、ボールペンでなければ、サインペン(マッキー)の細い側のような製図用ペンがあったのですが。
サインペンはペン先が潰れて、段々太くなってしまう…。
みなさんも経験があると思います。
どうですか、細い線を引きたい人たちって、不憫じゃないですか?
激細のペンがあったらな…。
そんな、1994年に彗星のように登場した水性のボールペン。
それが、ハイテックCなのである。
カッコよくないですか!?
ノック式ではなく、キャップ式。
ゴムのグリップなんぞ軟弱な装備はなく、軸に直接ローレット加工して滑り止め。
キャップのカチッとハマる剛性の高さ、そしてキャップを尻軸にハメるときも、同様のカチッとした嵌合式。
色気のない透明度の高いクリア樹脂の軸。
軸は6角なのに、グリップ部は円形。
この機能美が複雑な光の屈折を生み、宝石のような輝き。
素敵だ、ハイテックC。
測量野帳の方眼が3mmと小さいので、今使っているペン達にしては、小さすぎる。
久しぶりにハイテックC
買いに行くかな〜。
そんな感じで、文房具屋に行ってみたが、売ってない。
あれ、廃盤?
ネットを検索。
いや、まだ売ってるな。
文房具屋2軒目。
やっぱり売っていない。
マジかよ、なんで?
どこの文房具屋にも売っていたのに。
一昔前に、猫も杓子もビッグスクーターかTWだったけど、現代で街で走っている姿を見かけることはない。
あれだけ走っていた奴らはいずこへ…。
文房具屋3軒目。
やっぱり売っていない。
売っていないとなると、余計に欲しくなる。
「仕方ない、本気で探すか。」
僕は困ったら必ずココ!
と決めている文房具屋さんがある。
あそこならあるはず…。
そしたら、0.3mm、0.4mm、0.5mmあった!!
さすが!ありがとうよ。
頼りにしてるぜ。
でも、僕が欲しかった本命は、0.5mmのブルー。
0.3mmじゃないんかーい!!
…店頭には、赤と黒しかない。
うむむ、ここで断念して、ハイテックCの旅は終了にしよう。
総走行距離:53km
200円のボールペン1本を探しに行く旅。
そんな、休日を過ごした。
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