バイクキャンプ入門|初心者の失敗から学ぶランタンの大事さ
お世話になっております。
ピッコロモータース代表|プロ道楽師のまるこフランキーです。
今日はバイクキャンプ歴15年の僕にも「そんな時代があったなぁ」という、キャンプ初心者時代の失敗談をお話したいと思います。
なんでこの話をする流れになったのかと言うとですね。
妻に過去のキャンプの失敗話をしておりましたら、「その話、初心者の人にしてあげたら役に立つと思う。」という神フィードバックを賜りまして、僕自身の黒歴史はあまり面白くはないのですが、「まぁ、みなさまのお役に立てれば。」というギブの精神で書いてみようと思った次第でございます。
そんなわけで、ぜひ最後まで読んでいただけましたら幸いです。
ランタンは買った方がいいぜ?
ランタンって、バイクキャンプにはデカくないですか?
間違ってコールマンのランタンとか買ったら、シートバッグがランタンだけで終わっちゃうんだもの。
そのくらいバカでかいよね!
荷物が無制限に積める車なら、全部コールマンで揃えても問題ないけれど、ね。
もっと何ていうか便利な代物、川口浩探検隊のような、頭につけるライト。
あれだけあれば良くない?ミニマリスト的な
そういう無邪気な冒険心が、キャンプ初心者には芽生えてしまうところ。
だがしかし、それが悲劇の始まりなのであった。
僕はアストロプロダクツの整備用のヘッドライトだけを光源とし、初めてのキャンプを敢行した。
場所は町営の無料キャンプ場。なぜ初めてのキャンプを町営の無料キャンプ場にしてしまうのか。
それは若さ故の過ち、あるいは、初心者の『無知』という最強のマインドセットによるものだった。
ツーリングマップルで調べたキャンプ場(2011年のスマートフォンの保有率は14.6% Google Mapのナビなど無かった時代)に現着した僕は、とてもワクワクしていた。
なぜなら、水道が無かったからである。
なるほどですね~。でも、これぞキャンプよ!
僕は、訳の分からぬ雄叫びを上げ、貸切状態のキャンプ場で独り、ココロ躍った。
水道がないのだから、トイレはもちろん水洗ではない。手も洗えない。
テーブルなんてブルジョア装備は持っていない僕が、炊事のために近寄った東屋には、クモの巣が張り巡らされていて、入るのが怖い。
それでも僕はまだ、ワクワクしていた。
イメージは、ネスカフェゴールドブレンド、違いの分かる男、唐沢寿明だ。
そしてそして、キャンプ最大の楽しみは、キャンプ飯と酒なのだ!(やったことないけど)
僕は、夕暮れを待たずにウイスキーをキジで飲み始めた。(氷なんてないから)
今、僕はマジでキャンプをしている!これは最高の遊びだ!大人の道楽だ!お金では買えない価値がある!買えるものはマスターカードで
悦に浸っていた。
そして、持参したフライフィッシングの道具で晩ごはんを調達しようとする。
しかし、まぁ、なんて生命感のない淀んだ川なんだ。(今思うと、キャンプで食材を現地調達しようなんて、無知にもほどがある。)そして、仕掛けをラインに結ぶのも面倒くさいほど、どうせ釣れない感がハンパない。
仕方ない、釣りは諦めて、保険に家から持ってきた、サッポロ一番みそラーメンでも食そう。
っとその前に、夕暮れまでにテントを張らないと困ったことになりそうだ。
僕は、なんて賢いのだろう。
ボーイスカウトに入っていたら、きっとエースだったに違いない。
日没に焦りながらも、初めてテントの取説を見る。そして、先輩からお下がりでもらったCAPTAIN STAGのテントをなんとか立てることに成功する。(当時の写真を見る限り、ペグを使っていない。川砂利を打ち抜けるほど、シカ番長のペグは強くない。風なくて良かったね)
よし、テントは立てた!あとは飲んで、食べて、星空を見ながら自然を謳歌するのみ。
僕はバッグから、買ってきた水とエリンギと、サッポロ一番みそラーメンを取り出した。
エリンギを手でちぎり、CAPTAIN STAGのクッカーセットで香ばしく塩で焼く。
エリンギをアテに、ウイスキーを飲もうという魂胆である。
僕には、ランタンがない。だが、ヘッドライトがある。
暗いわりに白い光のLEDライトせいで、イマイチ塩加減がわからないが、エリンギなんか、焼いて塩かければ勝手にうまいでしょ。
なにより、キャンプとは不便を愉しむものなのだ。(やったことないけど)
僕は、油もなく、焼き上がったエリンギをひとくち、頬張る。
っっっっっぺ!!しょっぺぇ!!食えないほど塩がかかっている。
ペッ、ペッ、仕方ない…。
エリンギは諦めて、いったんクッカーを水で洗って、袋ラーメンを作ろう。
僕は食材に塩がどれくらいかかっているのか、それさえも判断できないほどの光量のなかで、生死をかけて袋ラーメンの調理にかかる。
光がクッカーの底に反射して、水の量がわからない。重さで大体の量を感じるが、注ぐときに結構こぼしてしまった。
とりあえず目分量で湯を沸かして、袋ラーメンを投入。
ウイスキーで酔っ払っている僕は、湯気で視界が悪く、どのくらい茹でられたか判断できないラーメンを、暗いヘッドライトの明かりのみという、極限の状況で食べようとした。
顔の向く方向にしかスポットライトが当たらない、このヘッドライトはどうにかならんかなぁ!!不便さにも程がある。
僕は、だんだんと、アストロプロダクツのナイトセールで買った180円のヘッドライトを呪い始めた。
そして僕は、キャンプ史上初にして最大のトドメを刺されることになる。
ラーメンを食べようとクッカーを顔に近づけた、その瞬間!!!!
異臭がするのである。なんだ、この異臭は。
なにかが腐ったような、甘ったるい異臭がする。
袋ラーメンは腐るのか!?
待てよ、そんなことあるわけない。とりあえず、ひとくち食べてみようか。
いや、やめておこう。こんなところで腹痛に襲われたら生死に関わる。
僕は焦って、クッカーに注いだ水を確認した。
当時の僕はケチで「炭酸が入っていない飲み物を、お金を出して買うなど、愚の骨頂」と考えていた。
コーヒーはブラックよりもミルクが入っていた方がコクがあって、コストも掛かっているから、それを選ぶ。そんな、生粋の貧乏人だった(バイク8台のローン地獄で数年間はカップ麺しか食えない状況)
当然、ミネラルウォーターなど買ったことはない。
そんな世間知らずの僕が、コンビニで何も考えず選んだ水は、まさかの水だった。
そう、みかんエキス入りのフレーバーウォーター「い・ろ・は・す みかん」を買っていたのだ!!
人里から離れすぎて、自販機などあるわけがない、水道レスの町営キャンプ場。
もうウイスキーを飲んでしまって、運転できない身体。
唯一の水分が「い・ろ・は・す みかん」500ml × 2本。
うち1本は食えないラーメンとエリンギの塩を洗い流すために使ってしまった。
ウイスキーとしかないキャンプ。
これぞ、キャンプ。
不便さを愉しむことが出来てからが、一人前よ。
翌朝、僕は残り少ない「い・ろ・は・す みかん」で虚しく残飯となったサッポロ一番を洗い流し、強烈な喉の乾きと戦いながらテントを片付け、フラフラになりながら帰還するのであった。
結論:ランタンはある程度のモノを買おう。
まるこフランキーでした。では、また~。
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