初心者におすすめしないバイク5選|買って後悔する前に知っておきたい注意点
お世話になっております。
ピッコロモータース工場長☆プロ道楽師のまるこフランキーです。
初めてのバイク選びってワクワクする反面、最初の1台を間違えると苦労することも多いんです。
初心者のうちから背伸びして選んだせいで、乗るのがしんどくなったり、修理や維持費で熱が冷めてしまったり…。
そういう失敗はなるべく避けたいですよね。
そこで今日は、あえて「初心者におすすめしないバイク」を5台ピックアップしてみました。
いいですか?間違えないでくださいね。
おすすめ『しない』バイクですから。絶対に買わないでくださいね。
ちなみに、どのバイクにも素敵な魅力がありますが、最初から玄人向けのバイクに乗ると沼にハマる可能性があるという点に注意。
そこを知っておけば、後悔せずにレブルに落ち着くはず。
ということでいってみましょー。
初心者におすすめしないバイク5選
①名前からしてバイクじゃない、それ、飛ぶやつ:ロケット3

ロケット3|メーカー:トライアンフ(イギリス)
排気量:2,294cc(世界最大クラスの市販量産型エンジン)
車重:362kg前後
圧倒的な直線加速力を誇るが、取り回しは大変どころか、エンジン掛けないと動かすのも無理。
『Motor Cycle News』では、「お金で買えるバイクの中で、最も大きく、最もイカしたバイク!このバイクを開発したトライアンフに拍手を送ります。ハーレーと比べると、ロケットIIIはお買い得。ブレーキ性能も速く、ハンドリングも優れており、なにより、英国製です。」
お買い得、という評価がされていますが、300万円する車体本体価格を2,500ccで割ると、1ccあたり1,200円。
50ccだと1,200円✕50ccで、6万円。原付スクーターは、6万円じゃ買えないから、とってもお買い得。うん、ロケット3は、そういう意味で、お買い得っちゃお買い得。
米国のクルーザー市場への参入を目指していたロケット3。しかし、伝統的なハーレーダビッドソンライダーの間では受け入れられなかった。
アメリカのマッスルカー文化に、英国製のジェントルなエンジンを出してきたのだから、見向きもされませんでした。
それよりも、V-MAXみたいなマッスルバイク系として認識されているし、乗り方もゆったりクルージングというよりかは、その大排気量を生かした加速感を楽しむバイク。
低速域での取り回しは難しく、ふらっとしてハンドルに力を込めても、なかなかその車重は起きてくれない。タチゴケ必須のバイクなのである。
初心者には絶対にオススメしない。
②昔から旧車:ベスパ50S

ベスパ50S|メーカー:ピアッジオ(イタリア)
排気量:49cc
モノコック構造(フレーム=ボディ)は錆びやすく、穴が開きますが、やっぱり丸みのある鉄スクーターは、レトロでファッショナブル。
日本でベスパを一番有名にした人といえば、松田優作さんですね。「あぁ、なんか可愛いじゃん」って思わせちゃう。不思議な魔力を持ったスクーターなんです。壊れても、文句言いたくなっても、結局愛されてしまう──それがベスパという乗り物の本質なんでしょう。
マニュアル4速(グリップ回転式シフト)という独特の操作性は、慣れないとエンストや発進ミスを連発。信号で青になったのに発進できず、後ろのクルマからクラクション。あわててアクセル開けても、全然加速しない非力なエンジン。
旧車らしいプアなブレーキ性能は、追突が日常茶飯事。追突は過失割合 0:100なので、任意保険に入れておこう。
また、タイヤ交換用のジャッキとスペアタイヤが装備されている。ということは、結構パンクしますよ、という強い意志を感じます。
センタースタンドは町中でもタイヤ交換が出来るように配慮された装備だ。(んな訳ないと思うでしょ?)
ジムニーのスペアタイヤは、令和においてはアクセサリーだが、このペスパはマジでパンクする。ホイールの品質も悪い。「だが、そこが良いと」いうドMが存在するディープな世界。
混合給油という、ガソリンとエンジンオイルを混ぜて給油するシステムは、給油するガソリンの量からエンジンオイルの量を計算して注入しなければならない。セルフのガソスタだとロットを乱す可能性がある。
電装トラブルも多く、知識がない目的地にすらたどり着けない。街角で停めておくだけで風景がヨーロッパになる気がするが、バイクに詳しくない人からしたらヤマハ・ビーノと見分けがつかない。
見た目に惹かれて初心者がいきなり手を出すと、発進で戸惑い、止まらず、そして整備で泣く。
③カスタムベース不人気車:GAG

GAG(ギャグ)|メーカー:SUZUKI(1986年発売)
排気量:49cc(4スト単気筒)
フルカウルのレーサーレプリカ風だが、エンジンはバーディー。(そんなこと言ったら、モンキーだってカブじゃないか!カブなら許されるけれども、バーディーは、バーディーは…。)
当時の「レーサーレプリカブーム」と、モンキーなどの「ファンバイクの流行」を掛け合わせて登場したGAG:ギャグ。技術ヲタク集団のSUZUKIが発信する、渾身のギャグ。
コレクターズアイテムとして今も根強い人気がありますが、実はカスタムするところがほとんど無い。
当時の純正オプションで、左ミラーというのがありましたが、その程度。あのヨシムラもキットを出していましたが、入手できた人なんて数えるほどじゃないでしょうか。
4mini 系の雑誌イベントで、オーナーの写真集があると、必ず1台、2台はいるGAG乗り。ほとんどフルノーマル。というか、フルノーマルを維持するだけで相当な熱量で立ち向かわないといけない。純正部品はほとんど廃盤。社外品もほぼ入手困難。修理やカスタムで詰みやすい。
小さすぎる車体は、実用性が著しく低く、日常使い不可。まさにギャグ、名前負けしていない。性能や快適性はJOGの足元にも及ばない。
初心者が「可愛いから」と安易に選ぶと、バイクライフがそこでストップする。家に保管しておいて、バイクバカの仲間が来たときに『これが俺の秘密兵器』と見せびらかすのが正しい使い方。
④レーシーすぎる奴:アプリリア SXV550

メーカー:アプリリア(イタリア)
排気量:549cc(V型2気筒)
約70馬力というパワーでもって、車重は120kg。セローが133kgで20馬力だから、とんでもないでしょ。レースベースのスーパーモトレプリカ、というか、まんまレーサーやん。
軽量すぎる車体に・高出力すぎるエンジンは、タイヤを溶かさないとコーナリング性能が非常に低い。グリップさせる程度じゃ、アクセルを開けた瞬間、前輪の設置感がなくなり、アウトにはらんでいく高揚感。
強烈なストッピングパワーを発生するブレーキと、消しゴムのようなハイコンパウンドのタイヤは、リアロックさせて向きを変えようと調子に乗ってしまうと即ハイサイド、転倒リスクを味わえる。
メンテナンス難度が高い:輸入車ゆえ部品の入手に時間がかかるにも関わらず、ピストンリングの交換サイクルは500kmがメーカー推奨。オイル交換並みの頻度でエンジンをバラさないといけない。こんなもの市販車と言えるのだろうか。
足回りがレーサー寄りで、疲れやすいというか、シートはケツが痛すぎる。これ、シートか?
交差点でアクセルをひねった瞬間、後輪がスライドして内蔵が飛び出る感覚。プライスレス
⑤買えるもんなら買ってみろ:デスモセディチRR

メーカー:ドゥカティ(イタリア)排気量:989cc(V型4気筒)
2008年に世界限定1,500台が生産され、5万ユーロのプライス(日本での価格は866万2500円)
MotoGPレーサーをベースにした市販スーパーバイクで、世界的に希少な限定モデル。コレクター価値が高すぎて、実車に乗ったのは、僕も1度しかない。
乗りこなすのが難しいというか、エンジンをストールさせないようにするだけで、手に汗握る。それほどの音圧と熱。
「爆音すぎてごめんなさい。これ、僕のじゃないんです!」って言いたくなるほどの凄み。もはや恥ずかしいレベル…
街乗りはゼッタイに無理。アイドリングさせたらダメ、排熱で燃えます。サーキットまで車載して、降ろして、チヤホヤされて、少しだけ走って、積んで、帰る。そんな非日常の世界を味わえる。
財力があっても、ライダーのストーリーがなければ、まったく相手にされない至極のバイク。絶対に手を出したらいけません。
まとめ
バイクは「かっこよさ」や「憧れ」で選びたくなる気持ちはわかり味が深い。
でも、初心者のうちは「乗りやすさ」と「維持のしやすさ」が大切だったりするの。僕のようなぶっ飛んだバイク乗りが、つまんないこと言って申し訳ないけれども。
多くのお客様を見てきた結果、それが事実なのね。
今回紹介した5台も、決して悪いバイクじゃありません。(ネタに走ったけれども)むしろ魅力だらけ。
ただ「最初に選ぶ1台」としてはちょっとどころではなく、ハードルが高い。もはや断崖絶壁。
まずは扱いやすいレブルを見つけて、バイクとの生活を楽しんでみましょう。
その上で、経験を積んだら、尖った1台に挑戦すれば、より深くバイクの世界にハマれるはず。
無理せず、楽しく、長く、安全に。
まるこフランキーでした。ではまた。
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