中古バイクを買うならどこで買うのがオススメ?|選び方と買い方
初めてのバイク選びに中古バイクを選ばれる方は多いと思います。
・予算的に新車は厳しい
・立ちゴケとかするし、まずは中古から
・乗りたいバイクが新車で売っていない車種だから
などなど、様々な理由があると思います。
そこで、どこで買うのがオススメなのか。
バイク歴20年、現役バイク業界人の僕の経験からお話したいと思います。
大手の中古バイク量販店で買う|レッドバロン バイク王 SOX
大手中古バイク量販店が1番身近な存在だと思います。
中古バイクを買うなら、まずは大手の中古バイク販売店へ見に行ってみる。という方も多いのではないでしょうか。
まずは、大手の中古バイク販売店で買うメリットとデメリットについてそれぞれ考えていきましょう。
大手中古車バイク販売店で買うメリット
価格表示がクリア
『乗り出し価格』がしっかりと表示されている点が大手の中古バイク販売店の1番のメリットです。
え、そんなこと当たり前じゃないの?と思う方も少なくないでしょう。
しかしながら、この業界。まだまだグレーな部分が多く、店員さんに聞かないと乗り出し価格が表示されていないバイク屋さんがたくさんあります。
価格が妥当で
常に比較検討される大手の販売店では、競合の相場をリサーチしています。
距離・年式・状態・色などで相場を読み、適当な価格を設定します。
ですので、大きく相場からかけ離れた強気の価格設定などは少ないと考えられます。
全国対応の保証がある
大手中古バイク販売店なら全国に店舗があります。
もし、ツーリング中にトラブルになったら、レッカーサービスを使用し、最寄りのバイク屋さんに行くことがほとんどです。その街のバイク屋さんが、良いバイク屋さんとは限りません。
また、大手の販売店では、保証の内容も競合の相場に合わせていますので、どこの販売店でも不足なく保証を受けられると思います。
大手中古車バイク販売店で買うデメリット
マイナー車が展示していない
なぜ大手中古バイク販売店にマイナー車種が置いていないのか。
それは、シンプルです。より在庫回転率の高い商品を置きたいからです。
マイナー車種は業者オークションに回します。街のバイク屋さんや、大手と差別化をしたお店はマイナー車種を競り落とし、店頭に並べます。
上澄みは大手、大手が売りづらいバイクを街のバイク屋さんが取り扱うという業界の構造です。
街のバイク屋さんが、大手と同じ人気バイクを扱おうとしたら、利益率を下げなければなりません。あえてリーダー企業に真っ向勝負をしている小規模なバイク屋さんは少ない、というのが業界の地図です。
整備力は人次第
経験豊富な整備士になると、いつかは自分のお店を持ちたい、もしくは、より自分にとって居心地のいいSHOPで働きたい。と考えるようになります。
サラリーマンとして固定給が安心、と考える方も多くいらっしゃいます。整備力は企業の力ではなく、結局は個人です。経験豊富な整備士さんがいる店舗は、メンテナンスもアフターも安心です。
また、大手だと整備士さんもサラリーマンですので、当然異動があります。ここの店舗がずっと安心。というわけではありません。
対応は店長次第
大手は店長といえどもサラリーマンです。向き不向きがあります。当然、人事異動もあるでしょう。
優秀な店長だから、売上が低迷している店舗を立て直すために異動。代わりに新人を大抜擢して、店舗を任せよう。いろいろな想いがあるのでしょう。
店長により、対応は全然違います。
僕が、必ずする質問があります。「店長さんもバイク乗ってらっしゃるんですか?」
返答で大体のことがわかります。「今は乗ってないんですよ。家族もできて忙しくって。」と返されることも多いですが、その場合、「昔は何乗ってらっしゃったんですか?」とさらに突っ込むと面白いですよ。だいたいが、昔も大して乗っていなかった。という経験があります。そんな店舗は要注意です。
もちろん、仕事は仕事。バイクに乗っていなくったって、素晴らしい店長はたくさんいます。
でも、考えてみてください。好きこそものの上手なれ。
バイクが好きで仕事にしている人には敵いません。なぜなら、彼らはプライベートもバイクだからです。費やしている「時間」と「情熱」と「お金」が桁違いです。
是非、バイクに乗っている店長さんのお店での購入をオススメいたします。
ディーラーの中古車を買う
欲しい車種が決まっている方は、ディーラーの中古車を買う、という選択肢もあるでしょう。
しかしながら、「新車を勧められそうで断りづらい。」「初心者なので入りづらい。」など、初めてのバイクをディーラーでというのは、なかなか敷居が高いのではないでしょうか。
ディーラーの中古車を買うメリット
素性がわかっている
ディーラーの本業は新車の販売です。販売のノルマがあります。
そんな中、中古車をわざわざ業者オークションから仕入れてくる、というディーラーは少ないです。なぜなら、本業が忙しいからです。したがって、中古車を仕入れるのは、お客さんの下取りがほとんどです。
なので、ディーラーの中古車というのは、そのお店で新車で売ったバイクの可能性が高いです。メンテナンスもそのお店で行っていたので、不具合や前のオーナーさんの乗り方も知っています。メンテナンスノートも残っている可能性が高いです。そこらへんは、ディーラーの営業さんに聞けば、答えてくれることもあります。お茶を濁した回答をした場合は、業者オークションから仕入れている可能性もありますので、注意が必要です。
整備ノウハウがある
ディーラーの整備士さんは、大手中古販売店の整備士さんと違い、ひとつのメーカーの整備に特化しています。ハーレーならハーレー、ドカティならドカティ、というように、特殊工具も含めてノウハウや整備技術に優れています。
しっかりと整備され、もしものときの安心感もあるディーラーの中古車はおすすめです。
状態がいい
ディーラーの本業は新車の販売です。本業が忙しいので、状態の悪い下取り車を時間を掛けて整備をし、割安感のある価格で販売することはあまりしません。
信頼を失うことにつながりますので、怪しい下取り車輌は業者オークションに流します。
ですので、ディーラーの中古車は状態が良いものが多いです。
ディーラーの中古車を買うデメリット
価格が高め
当たり前ですが、状態の良い車両ですので価格は高めに設定されています。
また、ブランドイメージを背負っているディーラーですので、大手中古販売店よりもリーズナブルな価格設定にしません。ディーラーで提供されるコーヒーも、きれいな店舗も、清潔感のある営業さんも、すべては利益から還元されています。
価格が安かったら、それらブランドイメージを下げないとやっていけないでしょう。
タマ数が少なめ
下取りからの仕入れがほとんどのため、当たり前ですがタマ数は少ないです。
欲しい車輌が決まっている場合は、ディーラーをハシゴしても見つかることは少ないでしょう。ネットであらかじめ検索をして、在庫がある店舗に現車確認をしにいく流れが効率的です。
街のバイク屋さんで買う
あなたの街にもあるのではないでしょうか?昔からある、自転車屋さんのようなバイク屋さん。
なぜ潰れないのか?昔からあるバイク屋さんは、光るものがあります。
街のバイク屋さんで買うメリット
特色はお店次第
自転車屋さんのようなバイク屋さん。原付バイクが2,3台置いてあるだけ。
なにやらすごいカスタムされたハーレーばかりが置いてあるバイク屋さん。
倉庫にジャンクに近いバイクがものすごい数保管されているバイク屋さん。
自転車屋タイプのバイク屋さんは、本業はスーパーカブの修理。ビジネスバイクの修理を企業から請負い、定期点検などでお金をもらっている業態です。ですので、「スポーツタイプのリッターバイクが欲しい。」と伝えても非常に厳しいものがあります。
カスタムハーレー屋さんは、デザインを含めたカスタムの工賃、コンプリート車輌、メンテナンス、パーツの販売が主な収入源です。ここで、「スポーツタイプのリッターバイクが欲しい。」と伝えても非常に厳しいものがあります。
このように、街のバイク屋さんは「何を収入源としているのか」見定める必要があります。
失敗する確率を下げる方法は、ネットの中古バイク検索サイトに載っているバイク屋レビューを見ることです。サイトのメンテナンスがされていないバイク屋は、時間が足りないのか、更新が面倒くさいのかわかりませんが、いずれも信頼度に欠けます。
とはいえ、うちは整備力だけは自身がある。昔、メーカーのレースメカニックだった。とか、自身も現役のレーサーで、セッティングが得意。とか、コネクションが豊富で、希少なヨーロッパ製の旧車の取扱いが豊富。
などなど、街のバイク屋さんは、ディープな世界。そして、特色は店主次第。
実際に足を運んでみるのが1番でしょう。
地域の仲間が見つかる
地域の仲間が欲しければ、街のバイク屋さんをハブに広げていくのもありでしょう。しかも、同じ雰囲気、同じ趣味趣向を持った仲間が集まるのが、街のバイク屋さんです。
メンテナンスしに行ったら、〇〇さんも遊びに来ていて、バイク談義で盛り上がることもしばしば。
そんな、地域のバイクライフを充実させてくれるのが、街のバイク屋さんです。
職人気質で頼れる存在
エリアに縛られた、ある意味「床屋」に似た選び方をする街のバイク屋さん。
当然、地域の信頼がなければ、すぐ潰れてしまいます。地域の信頼は、評判の積み上げ。
売りっぱなしの粗暴なバイク屋さんは淘汰されていきます。そのバイク屋さんが整備力を売りにしていたら、間違いなく頼れる存在です。
販売力と整備力は比例しませんので、見極めが重要ですが「メンテナンスだけはここのお店!」という頼れる存在があるというのは、非常にありがたい話です。
街のバイク屋さんで買うデメリット
お店の選び方が難しい
前述の通り、何を収入源としているのかでお店の特色が違います。
実際にお店に行ってみて、観察することから始まります。ネットのレビューやHP、SNSの更新からもお店の特性を知ることができます。何事も、失敗したくないのであれば、まず情報収集から。
展示車両が少ない
実は整備力がすごいのに、バイクを売っていなかったりします。それは、何度も伝えていますが、収入源がお店によって違うからです。大手中古バイク販売店とはビジネスモデルが全然違います。
また、小規模なバイク屋さんの場合、展示車両は極力少ない。もしくは、特色に合った車輌しか置かない方針で経営していかないと、潰れてしまいます。感覚的には、10台前後を展示しているお店が多いと思います。
欲しい車輌が決まっている場合は、地域のバイク屋さんをハシゴしても見つかることは少ないでしょう。ネットであらかじめ検索をして、在庫があるお店に現車確認をしにいく流れが効率的です。
ネットオークションで買う
ネットオークションは敷居が高いと感じているユーザーさんも多いと思います。
メリット・デメリットを理解して利用することでお気に入りの車輌が見つかる可能性もあります。
また、オークションの相場の検索には、日本最大級のオークション情報サイト、オークファンが便利です。ヤフオク!、eBay、楽天など、無料会員でも過去6ヶ月までの落札相場の検索、そして欲しい商品がメールで通知される検索アラート機能などが利用できます。
ネットオークションで買うメリット
安く買える
当たり前ですが、小売の中間マージンが入っていないだけ、市場価格より安く車両本体を買うことができます。
また、カスタムはバイク買取のプラス査定にはなりづらい状況があります。原形をとどめないフルカスタム車両などは、オークションの方が安値で販売されていることが多いのが現状です。
カスタム車が多い
大手中古販売店はカスタム車を嫌がります。なぜなら、ニーズが限定的になるからです。
特に、保安基準に適合していない車輌は買取の価格も下がります。買取価格が下がれば、オーナーの愛情と買取価格が合致せず、不成立になる可能性が高いです。ですので、カスタム車をお持ちのユーザーはヤフオクやメルカリなどのオークション出品をしてなるべく高値で売りたいとなるのが自然な流れです。
オークション出品されているカスタムバイクはそのような理由で、業者を経由せずユーザー対ユーザーでの取引を希望する、いわゆるCtoCでバイクが流通しています。
カスタム車を狙っている場合は、オークションをチェックするのも楽しみのひとつです。
前オーナーの情報
前のオーナーのメンテナンス履歴などが説明されている車輌があります。これらの情報は大手中古販売店や業者オークションを経由するうちに消えてしまいます。
- 3,000kmごとにオイル交換をし、オイルは◯◯をプロショップ◯◯店で交換していました。
- 1年ほど前にオークションで購入し、そこから◯◯と◯◯を交換。6,000kmの時に◯◯が不具合のため交換しました。その後、週に1回ほど100kmほどのツーリングをしていました。車両状態は外装・機関共に好調ですが、この度転勤のため出品することになりました。
このように具体的なメンテナンスの情報や、なぜ手放すことになったのかなど、お店経由では知り得ない情報が前オーナーから公開されている点もオークションで購入するメリットになり得ます。
ネットオークションで買うデメリット
車体の選び方が難しい
カスタム車が多く、安く買えるということはもちろんデメリットがあります。
まず、車体の選び方が難しいということ。
バイク屋で実際に車体を見て、それでも状態や価格とのバランス、不具合を見極めることができない人はネットオークションではさらにハズレを引く可能性が高いと言えます。
最低限、消耗品の交換は乗り出しからどのくらいで必要になるのか、そのくらいは画像を見てパッと判断できる人以外はネットオークションで車体を買うことはお勧めできません。
安全面の不安
訳ありのバイクが一番高値で売れるのは、中間マージンを排したCtoC、ネットオークションです。
とりあえず形にして、走れる状態(前に進む状態)にしたバイクも売ることができます。基本的にバイク屋は、売ったバイクで事故など何かあった場合、販売した責任を取られます。
ですので、(止まれない)前に進むだけ状態のバイクを売ることはしません。止まれない、曲がらない、走行中に壊れる、動かない、燃える、(ボルトが回らない)部品の固着、動作不良、さまざまな不具合が潜んでいますが、それを把握、修理できる方以外は手を出さないことが身のためです。
結局、正常に走るためには、車体+整備費用がかかるものです。そうするとトータルでは、バイク屋さんで買った金額とさほど変わらないようなことになりかねません。
保証がない
当然ですが、個人間取引ですので、保証はありません。(バイク屋がオークションに出品していて、販売経路が違うだけの場合はその限りではありません。)
上記のさまざまなネガティブな要素が、落札したバイクに全部乗せで起こっても文句は言えません。
選別眼や目利きの能力は、失敗したこれまでの経験や、調べたり知識にした勉強の時間の賜物です。周りにそのようなプロがいて、あなたに「これは買っても大丈夫」とアドバイスしてもらえる人がいるなら別ですが、初めてのバイクをネットオークションで買うのは絶対的におすすめできません。
まとめ
いかがでしょうか。それぞれのメリット・デメリットを理解して、ピッタリの愛車が見つけることができれば最高のバイクライフのスタートを切ることができるでしょう。
商品たるもの、どの業界であっても安いものには理由があり、高いものにも理由があります。もちろん、値段が高ければ良いものに当たる可能性は高くなりますが、そのコストパフォーマンスが適切かどうかはご自身で判断する必要があります。
バイクを良く知り、多くの経験をし、勉強をして初めて、ごく稀にある”出物”に出会えるのだと思います。初めてのバイクを中古で探す場合は、知識・経験が豊富な先輩と一緒に選ばれることをおすすめします。
あなたが最高の相棒に出会えることを心より願っております。ではまた。
コメント